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COLUMN

未経験者の方が意外にイメージアップ出来ていないコンサルティングファームでの働き方

【はじめに】

以前の当社のコラムでも述べさせていただきましたが、コンサルティングファームは現在就職/転職マーケットで非常に人気な業界となっています。人気の理由としてはコンサルティングファームが手掛けるビジネスや待遇面などに魅力を感じる方が多いからだと思います。
一方でコンサルティング業界は事業会社とは違った働き方やカルチャーも多く、転職したのちにギャップを感じられる方も見受けられます。

そういったギャップを少しでも埋めるべく、今回のコラムではそんなコンサルティングファーム未経験者の方が意外にイメージアップできていないことの多い点についてご紹介させていただきたいと思います。

待遇面に関して気になる方は以前の当社コラム
【コンサルティングファームの給与水準】- コンサル未経験の方が気になるコンサル業界の待遇面のあれこれ –|DCT – キャリアコンサルのプロフェッショナル
をぜひご覧ください。

【広いバリュエーションの千本ノック】

コンサルティングファームと事業会社の働き方の違いでまず挙げられるのが、プロジェクトワークであるということです。通常数か月から1年程度のサイクルでプロジェクトが変わり、所属するファームやチームによって、業界や領域はある程度方向づけされるものの、プロジェクトごとに異なる業界、企業、テーマの課題解決に取り組んでいくことになります。そしてどんなテーマであろうと、クライアントにとって重要な課題に向き合うため、常にクオリティの高い仕事が求められます。

また、コンサルティングファームでの仕事はスピード感も強く要求されます。プロジェクト期間の長短に関わらず「クライアントの役員会議までに資料作成を」「○日後の提案/報告に向けた資料作成を」「チームミーティングまでにヒアリング内容の整理を」といった形で日々のタスクの期限は細かく設定されており、それらのアウトプットに対し上司からレビューを貰いクイックに修正していくという作業を行っていきます。

このように、プロジェクトごとに違った業界、クライアント、違ったテーマに対し、素早くキャッチアップしながら日々質の高いアウトプットをスピーディーに求められる、いうなれば千本ノックを様々な角度で受け続け、短期間で濃い経験を積める仕事だということこそ、コンサルティングファームが成長機会の多い環境だと言われるゆえんでしょう。

近年では各社、未経験者のオンボーディングや研修、トレーニングに力を入れており、企業側もいいスタートダッシュを切れるように配慮をしていますが、未経験からコンサルティングファームに挑戦される方で、この仕事スタイルに面食らったという方は少なくありません。実際に未経験からコンサルに転職し、現在もコンサルタントとして活躍されている方々からも「最初は大変だった」という声を数多く耳にします。一方で苦労だけでなく「そういった壁を乗り越えてパフォーマンスを発揮できるようになった時に自身の成長・スキルアップを強く感じた」という声が多いのもコンサルの成長環境を表している一例だと思います。

【優秀な人材・多様な専門家とのコラボレーション】

コンサルティングファームでは多様な業界、クライアント、テーマに相対することからジェネラリスト的能力が求められる傾向が強いですが、近年ではクライアントの課題がより難易度が高く複雑になっている背景もあって、幅広い分野への対応が可能なジェネラリスト的能力を持ちつつ、特定の分野に関して高い専門性を持ついわゆるT字型人材に成長していくことが求められるようになっています。

どの分野の専門性を高めていくのかはそれぞれのバックグラウンドや志向によって変わりますが、具体的には特定の業界知見、特定の業務領域の知見(会計、サプライチェーン、組織人事など)、IT/テクノロジー領域の知見といったものを案件やトレーニング、自己研鑽を通じて身に着けていきます。

近年では数千人以上のコンサルタントが在籍しているコンサルティングファームも珍しくなく、多種多様なバックボーンや専門性を持つ人材が社内に集結しています。プロジェクトによっては、様々な領域の専門性が必要となることがあり、そういった場合はチーム間をまたいで社内の専門家を結集してチーミングを行い一緒にプロジェクトを遂行していきます。
このようにジェネラルなスキルに加え独自の専門性を身に着けつつ、自身とは違った専門性を持つ人材と協業できることはプロジェクトを進めるうえで大きなメリットがありますし、自身の知見を拡げるうえでも大きな刺激となるでしょう。

また、Big4ファームのようなコンサルティングファームでは、グループ内に監査法人、ファイナンシャルアドバイザリーサービス、税理士法人、弁護士法人といったコンサルとは違った専門性を持つ集団が存在しており、プロジェクトに必要なナレッジシェアをしてもらったり、時にはコラボレーションしワンチームとしてプロジェクトを進めたりすることもあるというのも大きな特徴です。会計基準、M&A、法制度、規制、税制などに対し非常に深い知見を持つ人材が数多く横にいる環境というのは事業会社の方にとっても珍しいものではないでしょうか。

【クライアントの経営層やエースクラスの方々と日々相対する環境】

コンサルティングファームのプロジェクトでは、自社のメンバーだけでなく、クライアントのCxOや役員、部長、課長クラス、また、それ以外にも社内で選抜されたエースクラスの人材の方々と日々相対していくことになります。

若手コンサルのうちからこういった事業会社のハイクラスの方々と折衝を行う機会も多く、そういった方々とのコミュニケーションにおいては事業全体の構造や将来の方向性、業界の変化など高い視座での思考が求められます。また、経営層の方々がどのような価値観を持っていて、どのように意思決定を行うのかといったビジネスリーダーの考え方や行動原理を吸収することも可能です。そのような環境に身を置くことで、単なる作業者ではなくビジネスの本質を考える力が早期に養われます。

【コンサルティングファームから事業会社への転職】

コンサルティングファームは以前より働きやすくなったこともあり、コンサルタントとしてのキャリアを長く続けられる方も多くなっています。
一方で、コンサルティングファームで経験を積んだのちに事業会社へ活躍の場を移される方もやはり数多くいらっしゃいます。(そのキャリアの選択肢の幅の広さがコンサルティングファームで働く魅力の1つでもあります)

コンサルティングファームで得られる経験・スキルは事業会社側で内製化が難しいものも多く、ポジションによるもののコンサル経験者は事業会社に転職する場合も高い評価を得られるケースが多いです。

具体的には
・経営企画など様々なポジションでの参画可能性/多くのテーマに関与することが可能
・若いうちから経営に近いところで働ける
・Business As Usualではない、社内のプロジェクトでの活躍
といった可能性が、事業会社経験のみの方と比較してコンサルティングファームを経ることによって広がりやすくなります。

コンサルティング経験者が事業会社に転職する際は培ったビジネススキル、経営目線、専門性といったものを活かせる経営企画や事業企画をはじめとした企画系部門、新規事業開発、デジタル戦略/DX推進系部門、各事業部門のハイポジションなど様々なポジションでの参画可能性があります。いずれにしても、作業者としてではない、一定以上の裁量を持ったポジションで、事業会社で内側から昇進していくより比較的若いうちから経営に近いところで働くことが可能です。

また、コンサルティングファーム出身者は、当然プロジェクトワークに慣れており、かつプロジェクトを進めていく上で必要なスキルセットを持つことから通常業務ではない社内のプロジェクトへの親和性が高い点も特徴で、CxO直下の特命プロジェクトなどへの参画チャンスもおのずと多くなります。

【コンサルあるある】

ここからは少しTips的なものになりますが、コンサルティング業界では当たり前だけれど、一般的な事業会社では珍しい要素についていくつか記載させていただきます。

・上司が固定的ではない
所属するチームのメンバー自体は固定的ではあるものの、日常頻繁に相対する上司はプロジェクトごとに変化します。それゆえに、合わない上司だとしてもプロジェクトの切れ目で意図的に変えることも可能ですし、その逆で、合う上司の場合、目をかけてもらい囲ってもらうということも可能です。

・自社に出社しない
コンサルティングファームの働き方として客先常駐や最近ではリモートワークの形態が多いこともあり日常的に自社に出社するということはほとんどありません。「入社して1年経ったけど片手で数えられるくらいしか自社にいったことない」というコンサルタントの方も数多くいらっしゃいます。

・自社に自分のデスクがない
上記のものに関連しますが、社内に作業スペースや会議スペースはあるものの事業会社のように決まった自分の席はありません。
ですので、全員が自社に出社した場合とても入りきらないということになります。

・定期券を買うことがほとんどない
プロジェクトごとに勤務地が変わるため定期券を買うことがほとんどないというのも一つの特徴です。

・横文字が多用される
「スコープ」、「アライン」、「ユーティライゼーション」、「フィージビリティ」、「レバレッジ」などなど、コンサルティングファームでは横文字が飛び交います。コンサル未経験で転職された方の中には最初戸惑う方もいるかもしれません。

・トークストレートが推奨される
遠回しな表現よりも率直な指摘、気を遣った忖度より明確な主張が推奨されるカルチャーがあります。上司の純粋な疑問の指摘に対し、そのカルチャーに慣れてない人の中には「怒られている?」と感じる方も少なくないんだとか。

【まとめ】

今回は未経験者の方が意外にイメージアップ出来ていないコンサルティングファームでの働き方といったトピックを紹介させていただきました。本コラムが少しでもコンサルティング業界への理解を深める助けになればうれしく思います。

本コラムでは一般化した内容を記載させていただきましたが、実際の転職支援の際は候補者の方それぞれのキャリアカウンセリングを行いながらより詳細なコンサルティングファームでの働き方やカルチャーなどのお話をさせていただきますので、ぜひお気軽にご相談ください。